令和8年度税制改正大綱で変わる住宅購入!手取り増とローン控除延長のポイント
今日は発表されたばかりの令和8年度税制改正大綱を基に、これから住宅購入を検討している方にとって買い時や資金計画がどう変わるのかという点でお話をしていきたいと思います。
結論から言うと現役世代の手取りが増え、住宅ローンの支援も長く続く非常にポジティブな改正となりました。
ただし注意すべき落とし穴もありますので是非最後までご覧ください。
それでは早速行きましょう。
年収の壁と基礎控除の引き上げ
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まずはニュースでも度々取り上げられていた年収の壁と基礎控除のお話です。
これが皆様の住宅ローン返済能力、つまりいくら借りていくら返せるかに直結します。
これまでの税制では年収103万円を超えると所得税がかかり始めましたが、今回の対抗では物価への対応としてこのラインを178万円まで引き上げることが明記されました。
これはパートの方だけの話でしょと思うかもしれませんが違います。
会社員の方にとっても課税される所得が減ることで実質的な手取りが増えることになります。
毎月の手取りが増えれば物価高で膨らんだ生活費を補填できるだけでなく、その分を住宅ローンの返済や将来の金利上昇リスクへの備えに回す余裕が生まれるかもしれません。
さらに地味ですが嬉しいのが通勤手当ての非課税枠拡大です。
マイカー通勤の方などこれまで月額3万1600円が上限だった区分が3万8700円に引き上げられるなど、郊外に家を買って車通勤をする想定の方には追い風となる改正も入っています。
住宅ローン控除の延長と注意点
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次にこれから家を買う人にとって最も気になる住宅ローン控除制度です。
制度が2025年末で終了するので2025年中に買わないと損をすると焦っていた方、どうか安心してください。
適用期限が2030年の年末まで5年間も延長されることになりました。
これにより物価高によって不動産価格上昇の懸念こそあるものの焦って物件を決める必要がなくなり、じっくりとライフプランにあった家探しができるようになります。
特に注目したいのが中古住宅の適用期限が10年間から13年間に延長される点です。
新築価格が高騰する中、中古を買ってリノベーションを考えている方には朗報です。
ちなみにリフォーム減税も2年間延長されています。
ただし注意点も2つあります。
1つ目は省エネ基準です。
2028年以降は中古住宅は一定のZEH水準などを満たさないとローン控除の対象となる金額が減ってしまう点。
さらに新築の場合は同じく一定のZEH水準などを満たさないとそもそも住宅ローン控除制度の対象外となってしまいます。
2つ目は災害リスクです。
土砂災害などの発生が懸念される災害レッドゾーンで新築する場合、原則として住宅ローン控除の対象外となります。
土地が安いからといってリスクのある場所を選ぶと税制メリットを受けられないだけでなく、資産価値や安全面でもマイナスになりますのでハザードマップの確認は必須です。
また住宅ローン関連で言うとフラット35の借入れ上限額にも変更の流れが出てきました。
政府は現在の借入れ上限額が8000万円であるフラット35に対し、上限額を1億2000万円まで引き上げる方向で調整に入ったようです。
引き上げは2005年以来約20年ぶりとなり、不動産を含む物価の高騰や変動金利の上昇で固定金利ニーズが高まる可能性など、昨今のトレンドを含んだ変更ポイントです。
ただし、借入れ可能額が上がったとは言え、いたずらに高い住宅ローンを組んでいいわけではなく、自分と家族のライフプランをシミュレーションして正しい予算を決めるべきだと考えます。
投資・贈与税制の変更(暗号資産・NISA)
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住宅購入の頭金作りや購入後の教育資金に関わる投資や贈与の税制も大きく変わります。
まずはビットコインなどの仮想通貨を代表とする暗号資産の譲渡所得税が20%の申告分離課税となり、3年間の損失繰り越し控除も可能になる方向です。
具体的な変更時期は注視をしなければなりませんが、昔買った仮想通貨が塩漬けになっている方や、利益が出ているけど税金が高くて売れてないよという方は、これを機に現金化して住宅資金に充てるという選択肢が出てくるかもしれません。
次に子育て世帯に嬉しい0歳からのNISA制度です。
これまで18歳以上であることが加入条件であったNISA制度ですが、0歳から17歳も対象となり、年間60万円まで非課税で運用できるようになります。
住宅ローンを返済しながらお子様の教育資金はNISAで準備するという二刀流の戦略が立てやすくなります。
一方で注意が必要なのが教育資金の一括贈与の終了です。
おじいちゃんおばあちゃんなどから教育資金として最大1500万円を非課税で贈与してもらえる制度は令和8年3月末で終了する見込みです。
住宅取得資金の贈与非課税枠は延長されますが、教育資金の援助も当てにしていた方はライフプラン上早めの家族会議が必要かもしれません。
まとめ:改正を活かした資金計画
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今回の改善案を見ると、政府は手取りを増やして物価高に対応しつつ、質の高い安全な住宅への住み換えを後押ししようとしています。
ポイントの1つ目は増えた手取りを住宅予算に組み込むかどうかの検討です。
基礎控除引き上げで増える手取り分を生活費の膨張に使うのではなく、高騰している住宅価格に対して無理のない範囲で予算を抑えてみることや、子供の教育費用や将来の老後生活費用のためにNISA制度などを利用して運用に回す方向などを検討してみましょう。
ポイント2つ目は焦らずでも性能と立地にはこだわる。
ローン控除は延長されましたが省エネ性能の要件は厳しくなり、災害リスクのある土地は除外されます。
いつかはと考えてる方も資産価値が残りやすい物件を選ぶことが重要です。
住宅購入は税制優遇を使うことが目的になってはならず、あくまでご自身のライフイベントに合わせて検討するものです。
ただ今回の改正で資金計画の前提条件が変わる方も多いはずです。
ご自身の手取りがどれくらい増えそうなのか。
住宅ローン控除でどれくらい戻ってくるのか。
まずは自分や家族が将来困ってしまわないような正しいシミュレーションをすることから始めてみてはいかがでしょうか。