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最新の「不健康住宅」の建て方 ※建築中の人は絶対に見ないで下さい!

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前回、日本の住宅の『質』についてお話ししました。

“made in Japan = 良質”
のイメージとは違って、どうやら日本の家の質はあまり良くなさそうですね。

反対に、世界で最も建築基準が厳しく、
良質だと言われているのが、ヨーロッパの住宅なんです。

どう厳しいかと言うと…

例えば、家の平均寿命が140年以上のイギリスでは
法律によって、家の性能を4段階で評価されるんですね。(下図参照)

このなかでも建築が許されるのは、
(一番右の)20℃を超える家だけなんです。

もし19℃以下になった場合、向こうでは医学的な問題が発生するとされます。

何かと言うと、
…寒い家は、そこに住む人の健康に被害を及ぼすっていうんですね。
その基準が、19℃なんです。

しかも、(一番左の)10℃を下回るような家は、
人が「死に至る家」だと警告されるんです。

もちろん、
この20℃の基準を満さない住宅には、ペナルティがあって…

「スクラップ」するか、もしくは費用を掛けて「作り直すか(改善するか)」
しなさいっていう、命令が出されます。
結構厳しい…ですよね。

日本でこんな話聞いたことありますか?

じゃあ、日本の家って、この図の中でどの辺りでしょう。

もし今、一戸建にお住まいの方なんかは、
ちょうど、朝起きたときの部屋の温度を考えてもらうと当たるかもしれません。

近畿大学の岩前教授から頂いた大阪-北海道までの家の温度の調査データを見ると、イギリスの基準「20℃以上」を満たしたのは唯一、本来、一番寒いはずの『北海道の家』だけです。

しかも面白いことに、
このなかで、一番南に位置する大阪の家が一番寒いという結果が出ています。

そして全体としては、平均して10℃以下付近に集中しています。

つまり、日本の住宅はヨーロッパでは、少なくともイギリスでは建てられないってことです。

そして、ここで注目して欲しいのが、
これらの日本の家が「次世代省エネ基準」で建てられたものであるということです。

この基準、ご存知ですか?

はじめて聞いたという方、
「次世代基準」と聞いて、どのような印象をうけるでしょうか?
なんだか、ちょっとすごい基準のように聞こえませんか。

実はこれって、「建物本体」の省エネ性を表すもので、
日本で最高等級の家の称号なんです!
すごい、ですよね。

だから、どのハウスメーカーも自社の省エネ性をアピールするために、
「次世代省エネ基準を達成しています」なんて書くんですね。

でも、ヨーロッパでは取り壊し命令になるような家だってことです。

何故か?
それは…この基準が出来たのが、1990年台だからなんですよ。

つまり、日本の家の性能は15年前で止まっているってことなんです。
だから、この基準が最高等級ですが、
ここ目指して建てちゃうと、残念ですが 「命に危険を及ぼすような…寒い家」 になっちゃうんです。

とある住宅展示場の家では少なくとも9台以上のエアコンが設置されていました。

もちろん、室外機はお客さんから見えない位置に置いてあります。

なぜ、こんなことしているかっていうと、
モデルハウスが寒かったり、暑過ぎたりすると、
お客さん居心地が悪くて帰っちゃうでしょ?

だから、ゆっくり長居してもらうために、
こうやって「快適な温度」にしてるんですね。

でも…
裏を返せば、これだけエアコンを使わなきゃ、
快適な温度を維持できない家なんだってことなんですよ。

これでは、いくら「太陽光発電!」なんて言って、
日の当たる昼間に電気を作っても、
この屋根に乗る程度の発電量では、まったく足りません。

でも、これが日本で最高等級の建築なんです。

どうですか?
この基準で建てたいと思いますかね。

分かんないですけど、僕は、この話を知れば、
家を建てるのが、ちょっと不安に思う人も多いと思うんですよね。

更に!!
ここで気をつけなければならないことがあります。

実は、この「次世代省エネ基準」は義務じゃないってことなんです。
なんと、基準以上の住宅は、新築市場全体の6割ほどしかありません。

つまり、市場に流通している住宅の半数近くは、この基準にも満たないのです。

でもね、住宅の営業マンは絶対に説明してくれないんですよ。

「うちの住宅は次世代基準以下ですが良いですか?」…なんて言ってくれないんですよ。
…そんなこと言ったら、売れなくなっちゃいますよ。だって、言う義務がないんだから。

だから、普通の人は、知らず知らずのうちに性能の悪い“こっち”を買っちゃうんですね。

これが、日本の住宅市場なんです。
基準がゆるゆるです。

…ちなみに、厳格なヨーロッパの基準をクリアできるような家って、一体どのくらいだと思いますか?

実は、日本の市場で出回っている住宅全体の

……たった 1% 程なんだそうです。

出来れば、この1%で建てたいと思いませんか?

ただし、この1%の家、めっちゃ高いですっ。

例えば、40坪 / 2000万円くらいで建てられるのが日本で一般的だとすると、
同じ広さの家をこっちで建てようとすると、大体4000万くらいします。

よく言われる「坪単価」で、およそ100万円です。

…こんなの買えますか?

というか、買わないでしょ。

だから、そうやってちゃんと建てる工務店って全国で1%しかないんですよ。
だって、儲かりゃしないんですもん。

だから、その他の「99%」の住宅屋さんは、
『誰でも買いやすい価格』にするために、安価な方法で建てるわけです。

そして、ここには “大きな問題” があって…

それは『断熱材』が満足に入っていないってことなんです。

『断熱材』って家全体に入るものだから、その占める面積はとても大きいです。

だから、
性能の悪いものを使用したり、
厚みを薄くすれば、単価が下がり、それが家一件の価格を大幅に落とすことができるんです。

数の多い「窓」なんかも同じです。

だけど、そうやってできた「断熱の弱い家」はどうなりますか?

そうですね。さっき、あったように「命に危険なほど」寒い家になってしまいます。

そして、知っておきたいことは、
「家が寒い」ことが、前回話した「家の寿命が短い」ことと、
密接に関係しているってことなんです。

ここは、とても大事なところなので、お話ししておきますね。

【次回】 断熱材を減らされた日本の「寒い家」が「家の寿命を短くする」という話です。

 

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    前回、日本の住宅の『質』についてお話ししました。

    “made in Japan = 良質”
    のイメージとは違って、どうやら日本の家の質はあまり良くなさそうですね。

    反対に、世界で最も建築基準が厳しく、
    良質だと言われているのが、ヨーロッパの住宅なんです。

    どう厳しいかと言うと…

    例えば、家の平均寿命が140年以上のイギリスでは
    法律によって、家の性能を4段階で評価されるんですね。(下図参照)

    このなかでも建築が許されるのは、
    (一番右の)20℃を超える家だけなんです。

    もし19℃以下になった場合、向こうでは医学的な問題が発生するとされます。

    何かと言うと、
    …寒い家は、そこに住む人の健康に被害を及ぼすっていうんですね。
    その基準が、19℃なんです。

    しかも、(一番左の)10℃を下回るような家は、
    人が「死に至る家」だと警告されるんです。

    もちろん、
    この20℃の基準を満さない住宅には、ペナルティがあって…

    「スクラップ」するか、もしくは費用を掛けて「作り直すか(改善するか)」
    しなさいっていう、命令が出されます。
    結構厳しい…ですよね。

    日本でこんな話聞いたことありますか?

    じゃあ、日本の家って、この図の中でどの辺りでしょう。

    もし今、一戸建にお住まいの方なんかは、
    ちょうど、朝起きたときの部屋の温度を考えてもらうと当たるかもしれません。

    近畿大学の岩前教授から頂いた大阪-北海道までの家の温度の調査データを見ると、イギリスの基準「20℃以上」を満たしたのは唯一、本来、一番寒いはずの『北海道の家』だけです。

    しかも面白いことに、
    このなかで、一番南に位置する大阪の家が一番寒いという結果が出ています。

    そして全体としては、平均して10℃以下付近に集中しています。

    つまり、日本の住宅はヨーロッパでは、少なくともイギリスでは建てられないってことです。

    そして、ここで注目して欲しいのが、
    これらの日本の家が「次世代省エネ基準」で建てられたものであるということです。

    この基準、ご存知ですか?

    はじめて聞いたという方、
    「次世代基準」と聞いて、どのような印象をうけるでしょうか?
    なんだか、ちょっとすごい基準のように聞こえませんか。

    実はこれって、「建物本体」の省エネ性を表すもので、
    日本で最高等級の家の称号なんです!
    すごい、ですよね。

    だから、どのハウスメーカーも自社の省エネ性をアピールするために、
    「次世代省エネ基準を達成しています」なんて書くんですね。

    でも、ヨーロッパでは取り壊し命令になるような家だってことです。

    何故か?
    それは…この基準が出来たのが、1990年台だからなんですよ。

    つまり、日本の家の性能は15年前で止まっているってことなんです。
    だから、この基準が最高等級ですが、
    ここ目指して建てちゃうと、残念ですが 「命に危険を及ぼすような…寒い家」 になっちゃうんです。

    とある住宅展示場の家では少なくとも9台以上のエアコンが設置されていました。

    もちろん、室外機はお客さんから見えない位置に置いてあります。

    なぜ、こんなことしているかっていうと、
    モデルハウスが寒かったり、暑過ぎたりすると、
    お客さん居心地が悪くて帰っちゃうでしょ?

    だから、ゆっくり長居してもらうために、
    こうやって「快適な温度」にしてるんですね。

    でも…
    裏を返せば、これだけエアコンを使わなきゃ、
    快適な温度を維持できない家なんだってことなんですよ。

    これでは、いくら「太陽光発電!」なんて言って、
    日の当たる昼間に電気を作っても、
    この屋根に乗る程度の発電量では、まったく足りません。

    でも、これが日本で最高等級の建築なんです。

    どうですか?
    この基準で建てたいと思いますかね。

    分かんないですけど、僕は、この話を知れば、
    家を建てるのが、ちょっと不安に思う人も多いと思うんですよね。

    更に!!
    ここで気をつけなければならないことがあります。

    実は、この「次世代省エネ基準」は義務じゃないってことなんです。
    なんと、基準以上の住宅は、新築市場全体の6割ほどしかありません。

    つまり、市場に流通している住宅の半数近くは、この基準にも満たないのです。

    でもね、住宅の営業マンは絶対に説明してくれないんですよ。

    「うちの住宅は次世代基準以下ですが良いですか?」…なんて言ってくれないんですよ。
    …そんなこと言ったら、売れなくなっちゃいますよ。だって、言う義務がないんだから。

    だから、普通の人は、知らず知らずのうちに性能の悪い“こっち”を買っちゃうんですね。

    これが、日本の住宅市場なんです。
    基準がゆるゆるです。

    …ちなみに、厳格なヨーロッパの基準をクリアできるような家って、一体どのくらいだと思いますか?

    実は、日本の市場で出回っている住宅全体の

    ……たった 1% 程なんだそうです。

    出来れば、この1%で建てたいと思いませんか?

    ただし、この1%の家、めっちゃ高いですっ。

    例えば、40坪 / 2000万円くらいで建てられるのが日本で一般的だとすると、
    同じ広さの家をこっちで建てようとすると、大体4000万くらいします。

    よく言われる「坪単価」で、およそ100万円です。

    …こんなの買えますか?

    というか、買わないでしょ。

    だから、そうやってちゃんと建てる工務店って全国で1%しかないんですよ。
    だって、儲かりゃしないんですもん。

    だから、その他の「99%」の住宅屋さんは、
    『誰でも買いやすい価格』にするために、安価な方法で建てるわけです。

    そして、ここには “大きな問題” があって…

    それは『断熱材』が満足に入っていないってことなんです。

    『断熱材』って家全体に入るものだから、その占める面積はとても大きいです。

    だから、
    性能の悪いものを使用したり、
    厚みを薄くすれば、単価が下がり、それが家一件の価格を大幅に落とすことができるんです。

    数の多い「窓」なんかも同じです。

    だけど、そうやってできた「断熱の弱い家」はどうなりますか?

    そうですね。さっき、あったように「命に危険なほど」寒い家になってしまいます。

    そして、知っておきたいことは、
    「家が寒い」ことが、前回話した「家の寿命が短い」ことと、
    密接に関係しているってことなんです。

    ここは、とても大事なところなので、お話ししておきますね。

    【次回】 断熱材を減らされた日本の「寒い家」が「家の寿命を短くする」という話です。

     

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