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新型コロナウイルスと新浦安エリアにおける賃貸市況(2020.8)

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賃料の動向

 賃料動向はここ数年上昇傾向にあります。新型コロナウィルス感染拡大前の状況ですが、今川・入船4丁目内における「契約中の賃料増額改定」事案は28件中19件(約7割)ありました。

最高増額は55,000円→65,000円、平均増額家賃は3157円、平均家賃増額率は5.2%となりました。
これらは入居者の入れ替え時ももちろん、入居中の契約にも同様に当てはまり、更新を機に値上げという事案も多く含まれております。


上記は2011年以降の年間賃料平均推移グラフです。
震災の影響を受けて2011~2012年にかけて賃料下落しますが、2012年を底とし、以降着実に上昇傾向にあります。
賃料の上昇について想定される理由は主に2つあると考えています。

①建て替えの促進
 2011年の東日本大震災により今川の多くのアパートにおいて損傷が見られました。
それらのアパートの建て替えニーズに加え、2015年に大幅に相続税法が改定による影響も加わることとなりました。
大手ハウスメーカーは先細り感の強い個人住宅建築からアパート建築へと続々と参入してきました。
各社による積極的な営業展開が行われ、空き地や駐車場に新築される事例や、老朽化したアパートの建て替えの事例が急激に進みました。
結果として、市中に流通する賃貸物件の若返りが起こり、平均賃料が上昇したことが一つの要因となっていると考えます。

②退去数の減少→募集物件数の減少

 ここ1,2年の顕著な動きとして、退去数の減少があります。
原因は様々だと思いますが、全体的に転勤などによる異動件数が減少しているように思います。
有名国内スポーツ用品メーカーに対し、育休取得明けに不当に地方転勤提訴された事を不服とする訴訟で企業側が敗訴した事案が契機となった可能性もあります。
また、周辺賃料相場が上昇することにより、「住み替えたほうが高くなる」事も原因(卵が先か鶏が先かという問題でもありますが・・・)の一つと考えています。

 退去数の減少原因はさておき、退去数が減るということは、募集物件が減ることと通じます。
通常募集件数が150件近くあるのですが、今年に限っては常に100件を切った状況です。
70件近く(普段の半数)だった時期もあります。
需給のバランスが崩れた結果、賃料が上昇いたしました。
特に物件数の少ない新浦安エリアにおいてその流れは顕著に発生致しました。
今川地域、入船4丁目地域においては12月~3月ごろは物件の流通が枯渇する事態が毎年のこととなってきています。
退去予定が立つと、内覧できないにもかかわらず入居申し込みが入るというケースも多く、賃料の増額圧力は高まるばかりでした。
新築アパートに至っては、3月末完成にもかかわらず12月中には募集終了というケースも頻発しておりました。
一部そのような市況の機微が読み取れない不動産業者(自らで入居希望者の対応をしていない不動産管理会社に多い)が募集している物件では、以前の安いままの賃料で募集されていたりと、賃料適正化がなされていない事も散見されます。

来客動向について

 下記は直近1年間の入居希望者からの問い合わせ数(=反響数)をグラフ化致しました。
入居希望者は11月ごろから急増します。

これは浦安市内に所在している「明海大学」の推薦入学の結果発表がこの時期より始まるためです。
11月下旬に合格者が先行して住まい探しを開始します。
推薦入試は1次だけではなく、何回にもわたり行われるので、12月に入居希望者の来店ピーク第一山がきます。
年末ぎりぎりまでその動きは続きますが、例年クリスマスあたりでいったん沈静化します。
そして毎年年明け早々の成年の日を含む3連休から、入居希望者が急増します。1,2月は単身者による住まい探しが多く、3月に入ると転勤者などのファミリー層による住まい探しが増えます。
一昔前までは1月に入らないと来客動向が向上しなかったものですが、昨今は上記明海大学学生の動向の影響が大きくでて、繁忙期が大きく前倒ししてきております。
状況によっては3月入居希望の学生が11月には申込してくるという状況になりました。

 明海大の動きに加え、市内各所でホテルの新設が相次ぎました。
ホテルの従業員は終了時間が不定期であることが要因で、近隣で住居を探す傾向があります。
ここ数年で一気に開業していったので、従業員による住まい探しの増加も見られます。

新型コロナウィルスによる影響

 以上が例年の入居希望者の動向ですが、今年は新型コロナウィルスによる影響がありました。
1,2月ごろから「トイレ問題」が発生しました。
国産メーカーのほとんどはその生産拠点を中国においてあり、中国内で新型コロナウィルスが感染拡大するにつれ、生産停止することになってしまいました。
当然日本への設備納入も中断し、新築マンションの完工時期がずれるなどの影響が出ました。
また、このころから、例年に比べ、転勤などの事例中断されるなどの影響も色濃く出てきました。
結果、5月をいったん「谷」とすることは例年の通りですが、3、4月の落ち込みも例年と比べると顕著でした。

 3月中旬より国内における新型コロナウィルス感染拡大による直接的な影響が顕著になりました。
単身層は感染拡大の指標の悪化前には住居決定を済ませていることが多く、あとは事務手続きを残すのみでしたので比較的影響は少なかったですが、新型コロナウィルスによる影響は主としてファミリー層の入居に直撃しました。
3月半ばまでに転勤辞令が出ていた方はギリギリで入居決定できましたが、4月1日辞令予定だったと思われる転勤者の辞令が出ず、入居がキャンセルが続発しました。
加えて、緊急事態宣言も発令され、入居希望者の流れが減少することとなりました。

 ただ、4月の緊急事態宣言下においてもひと月200件近い問い合わせがあったことは意外な結果でした。
残念ながら内覧に至るケースは少なかったものの、住まい探しへの「必需性」を感じると同時に、新しい形態への対応の必要性を突き付けられました。
以上のことから、弊社としては住まい探しを非対面で完結できるように、各種システムや営業体制などの確保することとなりました。
以下はすべて営業体制確保済みです。

・オンライン内覧:自宅に居ながら物件の内覧が可能
・無人案内:営業担当者が付き添いなしで物件内覧が可能
・オンライン申込:時間・場所を問わず申込手続きが可能
・オンライン重説:自宅に居ながら物件の契約が可能

 以上が簡単な新浦安エリアの賃貸マーケットリポートです。
大切なご所有不動産の資産活用のためご参考にいただければ幸いです。
尚、本レポート内における参考データはすべて弊社独自調査によるものです。

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ライターについて

不動産業界には海千山千の人間が多くいます。私もこの業界にいることでオモテヅラだけがいいと感じる人に多く会ってきました。時に人を信じるということはとても大事ですが、その人がどのような状況に身を置いている人なのか、そして自分が今どのような状況に置かれているのかを冷静に俯瞰することで、より良い不動産取引体験につながることと思います。今回のコラムを読んだ方が一人でも不幸な不動産体験から縁が切れることを願って止みません。

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