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【4つの経済的損失+防衛策】不動産オーナーにとっての事故物件

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誰もが避けたい「事故物件」。
不動産業者であっても同じです。
「入居者と連絡が取れない!」という問い合わせがあったり、警察から電話が入ったりすると、事務所全体で一気に緊張感が高まります。

弊社では管理物件内でそのような問い合わせがあった場合、必ず警察に立ち合いをお願いし、現地に行くようにしています。多くはただ単に寝ていたり、旅行に行っていたりするだけなのですが、一部本当に不幸な場面に立ち会ってしまうこともあります。

不動産のオーナー様においては、自分の所有する不動産内で死亡事案が発生してしまうことそれ自体、何より悲しいことであります。そして同時に、賃貸経営上もその経済的損失は避けられないものです。今回はそんな事故物件を、不動産貸主の目線でその経済的な損失について考察してみようと思います。一般的に事故物件となってしまうと、大枠として4つの損失が発生します。

  1. リフォーム費用
  2. 室内残置物の処分
  3. 再募集賃料の減額
  4. 資産価値の低下

①リフォーム費用について

室内での死亡事故発生時にはその状況によりリフォーム費用の負担が発生することが多いです。亡くなられてから長期間放置されてしまっていたような場合、室内の特殊清掃(一般的なクリーニング費用とは別)が必要になります。

実際私も特殊清掃が発生した事案に立ち会ったことがありますが、独特のにおいや、虫の発生や、特殊な汚れなど、想像を絶する状況です。そのような状況にもかかわらず清掃してくれる業者様には感謝しかありません。そしてもちろん相応の費用単価になります。

そのような特殊清掃以外にも、壁紙や、床材、住宅設備などの交換が必要になるケースも頻発します。どこで亡くなられたかによってもそれらの費用発生は大きく変動します。まったくこれらのコストがかからなかった部屋もありますし、リノベーションが必要となる部屋もあります。

②室内残置物の処分

亡くなられた賃借人の相続人がいるかいないかなどによっても大きく変動します。亡くなられた方のご遺族が、退去手続きや室内荷物の整理を行ってくれることが多いです。

しかし、もし身寄りがない方であったり、相続放棄されるような状況の方であったりすると室内の残置物の処分についてその費用負担はオーナーが負担せざるを得ないことがあります。

さらにその処分にあたっても一筋縄ではいきません。本来は相続人の確定や、法的手続きなど様々な手順を経て処分をする必要があります。もしそれらの正規の手続きを経ずに家主が勝手に家財を処分してしまった後に、相続人が現れた場合、その家財に対しての引渡し義務もしくはその損害賠償が成立しうる可能性があるからです。

そして正規の手続きを経る場合、どうしても期間が長期化してしまいますし、費用も高額になってしまいます。実態として、早期に整理することを目的とし、正規の手続きをせず、オーナーが自らの費用と責任において処分するケースも多く見聞きしてきました。

③再募集賃料の減額

いわゆる事故物件となってしまった場合、賃料の減額は避けられません。昨今はインターネット上で死亡事故を検索できるようなサイトまで存在していて、一度その情報が表になるとなかなか隠しうるものではありません。もし、そのような死亡事案を隠したうえで新規募集し、入居後にその事実が明るみに出た場合、多額の損害賠償が発生することもあります。

死亡事案の告知については長年明確な指針はなく、各業者や時代によってその運用は統一されておりませんでしたが、国土交通省は2021年10月8日に初めて「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を制定しました。

あくまでもガイドラインでありますが、かなり明確に告知について言及されております。このガイドラインについての解説は、また別の記事でご紹介します。

④資産価値の低下

ガイドラインにおいては賃貸再募集については死亡時案から3年後は告知しなくてもよいというものがあります。しかし、売買契約においてはそのような期間による告知不要となる定めはありません。何年経とうと告知を避けられません。

マンションや戸建てなど、自らが居住することを目的とした売買が主となる物件の場合、資産価値の低下は顕著となります。感覚値ですが1〜2割程度の価値毀損が発生していると思います。一方、こちらも感覚的なものですが、収益用の賃貸物件の売買においては、価値棄損はさほど起きていないものと思われます。

火災保険による防衛策

大枠として以上4点あげましたが、それ以外でももちろん経済的損失が発生することがあるでしょう。オーナー様としては所有物件内での死亡事故は発生を未然に防ぐすべもなく、どうしようもないものかもしれません。

ただし、死亡事故そのものを防ぐことができなかったとしても、その経済的損失の一定程度はご自身の保険にてカバーできることもあります。一度ご自身の火災保険についてその内容を確認されることをお勧めいたします。ご自身で確認してもよくわからないという方は、オーナー様の身近なパートナーとしての不動産会社に一度その内容をご確認されてはいかがでしょうか。

火災保険については不動産会社が損害保険会社の代理店であることが多いです。それらの適切な情報提供というものも、本来不動産会社が担うべきものの一つです。

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ライターについて

資産活用部 今泉向爾

不動産業界には海千山千の人間が多くいます。私もこの業界にいることでオモテヅラだけがいいと感じる人に多く会ってきました。時に人を信じるということはとても大事ですが、その人がどのような状況に身を置いている人なのか、そして自分が今どのような状況に置かれているのかを冷静に俯瞰することで、より良い不動産取引体験につながることと思います。今回のコラムを読んだ方が一人でも不幸な不動産体験から縁が切れることを願って止みません。

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