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人口減少で地方の不動産はどうなる?

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(1)「人口減少」と「国内不動産」の将来性はどうなる?

17年度に生まれた子供は3年連続で100万人を切りました。日本の人口減少が鮮明になり、40年後に9,000万人、100年後には5,000万人に減る、という(国立社会保障・人口問題研究所)。

人口が減るとどうなるかと言えば、現在の日本では自給自足の生活は成り立たない貨幣経済の世の中ですから、人は何かの仕事をしてお金を稼ぎ、そのお金で生活に必要な物やサービスを買って生きるしかないです。そのため、人は仕事のある都会に移動して、その近くの住み良い所に住むことになります。

他方、企業は利益を上げる為に存在する組織ですから、お客様が大勢居る所に移動することになります。そこで、働く場所が少ない地方から若い人が減ることが続いていますので、地方に立地する企業の営業成果が減少し、企業の本社機能が東京首都圏に移転することが起きています。(日経新聞2016年8月8日参照)さらに、仕事場を求めて若者が首都圏に転入することが続いています(日経新聞 2018年1月30日参照)。

その結果として、人口減少社会となった日本では、仕事のある東京首都圏や大阪圏、名古屋圏を中心に、地方中心都市の福岡、広島、仙台、札幌のような大都市圏及びその周辺の住み良い地域に人口が集まります。その他の地域ではインバウンド消費が見込める観光地以外では、駅周辺半径1km以内に役所や商店街、住宅地、公園等を集めたコンパクトシティ化に成功した住み易い街以外では人が住む場所は無くなると予想できます。

(2)人口減少が進む地方の土地は買う人が居なくなり、「迷い子の土地」が増える。

土地や建物等の不動産は「誰かが買いたいと思う時に初めて価値が出る物」ですので、今後は益々「仕事が無く、誰も買いたいと思わない地方の土地建物」は無価値になる、ということです。

最近、広島県の山奥の自宅や田、畑、山林等の処理を頼まれて現地に行きました。山また山の奥地に崩れかかった自宅と田、畑、山林合計で13,167㎡(3,983坪)がありました。幸いにも地元の信用組合の尽力で、太陽光発電用地に利用する業者と近所に住む親戚の人が趣味の稲作と畑作りに買ってくれることになりました。しかし、全部で90万円というタダみたいな金額でした。それでも5万人がこの10年間で1万人に減ったという人口激減地域なので、「タダでも要らない」という状況で「よくぞ買う人が見つかった」ということでした。

もちろん、不動産仲介業者の手数料も45,000円しかなく交通費にもなりませんので、80歳を超えた古い友人の為にボランティアで処理しようとしています。この話が纏まったのは、地元の信用組合に太陽光発電用地に使う業者を紹介して頂くことが出来た希有の事例だったのです。

ちなみに、親の相続で人口が減少している地方の土地建物等を所有する事になった都会に住んでいる子供は、利用価値のない田舎の土地建物を持っていても、固定資産税を払わせられるだけで、もてあましている人が日本中にいっぱい居るようです。又、所有者が判らない「迷子の土地」が16年現在で九州本土より大きい約410万ヘクタールあり、40年度には北海道本当に迫る約780万ヘクタールに迫る規模です。

私が見てきた広島の山間部のような地方の状態が日本中に広がっていますので、人が住まなくなった土地・建物をどうするかは、日本の大問題の一つですね。さて、どうしたらいいのでしょうか?

(3)人口が減少する地方の土地は、地球温暖化対策の為等に活用する。

① 太陽光発電や風力発電の用地として活用する。

今回のケースのように、土地所有者に売買代金や賃料が落ち、地方の業者や個人が太陽光発電事業で売電すれば、その地方に社員が働く仕事場ができて、業者にはお金が落ちることになり、地球温暖化対策にもなり一挙四得となる。

② バイオマス発電に山林の木材を活用する。

日本の山林は、山が峻険なので材木の植林や伐採・運搬に経費が嵩むが、バイオマス発電の部材に木材チップとして利用すれば、山林の所有者にも多少のお金が入り、業者には大きなお金が落ちて、社員が働く仕事場もできて、ここでも一挙四得になる。

③ 苔(コケ)を都会のビルの屋上の断熱材に使う。

苔は再生するので、山から獲った苔を都会に運び、ビルの屋上の省エネ部材に使えば、ここでも一挙三得になる。

④ 紅葉や木の葉等を利用

紅葉や木の葉等を採って、日本料理の飾りに使ったり、シダや苔を使った釣るし物を作れば、都会の窓辺に飾る売り物になる。高齢者には向けた活用法になる。

⑤ 観光地化

観光地化することができれば、外部から人が来てお金を落としてくれるので、農業の体験ツアーとか、棚田(たなだ)の体験会員を募るとか、歴史上の遺産を整備するとか、のいろんな工夫をして成功した地域もある。例えば、雪不足で休むことがない「パウダースノースキー場」として 世界No.1の賞を3年連続勝ち取った北海道のニセコ、倶知安町(くっちゃんちょう)には、世界の大金持ちが数10億の別荘を買いに来ていて土地の値上率は3年連続で日本一です。沖縄も海を生かした観光地として成功して、土地価格も上昇中です。

* 以上のように人が住まなくなった土地や山や海でも、その他のいろいろの工夫と努力をすれば、地方には地方の仕事ができて、地方なりに生き抜くことができるはずです。

ただ、人が住む所には、道路や上下水道、電気、ガス、舗装道路や橋の維持補修等のインフラ整備が必要であり、人口が激減していく地域では行政経費が不足して対応できないので、その街の中心地域に駅、公共施設、商店街、公園、住宅地等を集中させコンパクトシティ化して、人はそのシティ内に移住して住み、農作業等は外側の地域に出かけていって行うことになるでしょう。こんな地方に不動産をお持ちの人は、いろんな工夫をしてそこを維持するか、今の内に安くても買う人が居たら売ってしまうか、考え時ですね。

ちなみに、浦安市は、首都東京の隣に位置し、4キロ四方の土地に4つの駅と公共施設や商店街、住宅地、工場街、ディズニーリゾート、100カ所以上の公園や運動施設が集中しているコンパクトシティが既に出来上がっているので、人口減少が続いても、若い人が集まる街として繁栄し続けることが確実と思われます。そこに住む我々はこの幸運に感謝しなければなりませんね。

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ライターについて

前取締役会長 今泉浩一