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おしどり夫婦の証!?自宅のおしどり贈与とは

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長く連れ添った夫婦のための相続税対策として、また、いわゆる終活の一環として、あちこちで耳にするようになった「おしどり贈与」。お客様から相談を受けて色々と調べましたので、制度の概要や実態をご紹介します。

おしどり贈与とは?

一言でいうと、「長く連れ添った配偶者に自宅の権利を譲るのなら、新築・中古を問わず、贈与税を免除しますよ。」という制度です。家の権利を伴侶と共有するという行為が持つイメージや名称の親しみやすさもあいまって、知名度の高い制度になりました。

なお、制度の正式名称は「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」でして、詳細は以下のとおりです。

  1. 結婚をしてから 20年 が経過した夫婦が、
  2. 自宅の権利、もしくは自宅の購入資金を 配偶者に譲る 場合、
  3. 2,000万円を上限 に贈与税を控除する

参考リンク

おしどり贈与って何がいいの?

1. 節税になる

言わずもがなのメリットですが、2,000万円分の資産贈与までは贈与税が控除されます。相続予定の財産を前もって譲る形になるので、相続税の節税にもなります(自宅以外で1億6,000万円以上の財産をお持ちの場合、税制上のメリットが出る可能性があります)。

ただし、相続した場合の優遇と比べるとむしろ損になるケースの方が多いと思われますので、この点についてはよくご検討ください(相続時の優遇については後述します)。

2. 生きている間に手続きができる

この制度は、長く連れ添った夫婦が揃って存命だからこそ使える制度になります。銀婚式などの節目やいわゆる終活の一環として夫婦でおこなえる、「おしどり夫婦の証」と言っても過言ではない制度です。

3. 夫婦の意思だけで手続きができる

遺書を作成する習慣が根付いていない日本では、故人が残した財産の相続をめぐって親族のあいだでトラブルになることがままあります。

「相続なんてうちには関係ない」「そんなのはドラマや小説の世界だけだろう」とお考えの方もおられるかと思いますが、国税庁統計によると、2016年に亡くなった方の8%ほどが、相続税の課税対象となったそうです。13人に1人はそういった財産をお持ちだった計算になります。思ったより多い印象ではないでしょうか。

おしどり贈与は、夫婦の意思さえあれば手続きできます。トラブルの種となりうる相続財産を贈与という形であらかじめ配偶者に譲ることで、今後の生活の安心を確保できるといえるでしょう。

おしどり贈与と相続、どっちにすべきなの?

「多額の相続財産があって、相続税を払わざるをえない……」

なんとも羨ましいお話ですが、実のところ、税制面の損得に限って考えると、おしどり贈与を積極的におこなうべきケースはこの1つだけです。

といいますのも、夫婦間の場合は以下のとおり、贈与よりも相続のほうが税制上の優遇が大きいからです。

  1. 配偶者間の 相続 の場合、一定額までは相続税を払わなくてよい(1億6,000万円か法定相続分の多い方)
  2. 相続税 以外 の税金も、贈与よりも相続のほうが安い(登録免許税や不動産取得税)

一方で相続にはないおしどり贈与のメリットですが、それはなんといっても「生きているうちにすべての手続が出来る」、これにつきます。残される配偶者のための住居を確保するため。親族間での遺産争いを避けるため。税制面以外のそういったメリットに注目すると、おしどり贈与の意義が見えてくるのではないでしょうか。

参考リンク

老後の安心のために

一部の方をのぞき、おしどり贈与に税制面でのメリットが薄いことはこれまでにご説明したとおりです。ですが、「老後の安心」というメリットは、他の税制にはない大きな特徴といえます。長く苦楽をともにした伴侶のための心遣いとして、制度の利用をご検討されてはいかがでしょうか。

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ライターについて

売買部 中山晴雄